買取トラブル、事故車か否か

車売却に関するトラブルの事例をご紹介します。自動車買取を依頼したAさんの事例です。現在普及したインターネットでAさんは、中古車の買い取り業者に長年愛用した車を売却することを考えました。インターネットで調べてみると近隣には中古車買取業者はいくつかありましたが、メールでの問い合わせは時間がかかると思い電話での問い合わせを行いました。いくつかの業者が大まかな査定価格を提示してくれましたが、やはり実際に車を見てみないと適正な価格は判断できないため持ち込みをお願いしますということでした。しかし何軒目かに電話をかけた買取専門の業者では、無料で出張査定をしてくれるということだったので願ってもいないことだと思ったAさんはすぐに来てくれるように依頼をしました。

そしてやってきた中古車買取業者はこういいました。「この車はすぐにでも欲しいと言っている人がいる」そう言ってその場ですぐに査定をし始め、出した査定価格は50万円。金額にも不満は無く、契約を決めました。しかしその数日後、中古車買取業者から電話での連絡があり、「持ち帰って詳しく査定をし直したところ事故車ということが判明したため査定額は10万円にさせてもらう」というものでした。その価格ではないため契約をキャンセルしたいのですが応じてもらえません。この事案は実は今急激に増えているトラブルです。最初は高い査定額を提示してまずは契約をとる、そしてその後に傷が付いているだの故障していただのという理由で査定価格を大幅に下げてくるというものです。消費者契約法というものがあります。その中には業者に一方的に有利になるような消費者契約の条項を無効とするという規定があります。

そのため、キャンセル料金として高い金額を請求されたとしても、その業者に発生する平均的な損害額を超えている場合には、その超えた部分は無効となるものです。ここで大切なことは本当に事故車であったのかどうかということになります。事故車であるということを契約者が隠していた場合にはそれは契約者の過ちとなるでしょう。しかし事故車であるという認識がない場合、その中古車買取業者に対して本当に事故車であるという修理歴があったのかどうか証明書の提出を求める必要があります。さらには財団法人日本自動車査定協会という機関がありますのでそこに有料ではありますが車の修理歴があるかどうか確認、証明してもらうという方法もあります。